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聖なる銀 アジアの装身具 展  展示写真レポート INAXギャラリー名古屋

聖なる銀 アジアの装身具 展

INAXギャラリー名古屋


2012年 3月9日(金)― 5月24日(木)


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【アクセサリーについて】
「聖なる銀 アジアの装身具」というタイトルのとおり、
本展の作品はいわゆるアクセサリー類とも言えます。

展示では装身具としての切り口をしていますが、
私たちにとってはファッションとして、つけられる方々がほとんどだと思います。

ちょうど春になってきて、さらに夏に向かうと、女性はアクセをつけられますね。
ピアス、ネックレス、チョーカー、ラチェット、ブレスレット、バングル、
リング、アンクレット、ブローチなどが一般的でしょうか。

もっと広めるとヘア系のシュシュ、ヘアピン、バレッタからかんざしなどなど。
エクステンション、香りもアクセの1つかもしれません。


私は女性がアクセサリーをつけるのは大好きなんです!
オシャレは足元からといいますが、小物類(洋服以外)がセンスいいとおおっと思います。
特にピアスはなぜか注目してしまい(じろじろ見ませんが)、
つけられていると見る目がかわりますね。

ピアスとイヤリング。
体を痛ませるとゆう理由でピアスを敬遠されたりする方々もいますが、
本展では、なかなかすごい所に開けられていたりします。

なかにはパンク系の方々がつけられると同じように。
テイストや意味は違いますが、アイデンティティという点では共通しています。
この辺が、文化の違いとして面白いですね。

逆にアジアの方々が、私たちのアクセサリーを見られたら
どのように思われるのか、聞いてみたいです。



【本展覧会について】
(黒文字はプレスリリースの趣旨からの一部引用)


<古来よりその輝きは月光にも喩えられる銀。
アジアにおいて銀は普遍的な素材として、また強い反射が邪悪なものをはね返す金属として尊ばれ、装身具に多用されてきました。
とりわけ数百の民族が暮らすアジアでは、装身具は自身を飾るという目的以外に、民族のアイデンティティを示す重要なアイテムとして人々の暮らしの中で受け継がれてきました。

会場では、アジア全域の地図をガイドに、東アジア・東南アジア・中央アジア・南アジア・西アジアの5エリアを巡りながら、あらゆる体の部分に応じた各地域の様々な装身具を個々に堪能していただきます。>


各エリアの特徴はありますが、中でもよかったのは東南アジアです。
他のエリアよりさらに繊細で細工がほどこされ、ため息がでるほどでした。
また、東アジアの中国は銀の中にカラフルな色彩がほどこされ親しみがわきました。

全体を見ても、とても大きいものや重いものなど、アクセサリーとしてのイメージからすると
珍しくも驚くような品々が展示されており、見応えたっぷりです。

見るだけではなくて、実際に身ににつけられたら楽しいだろうなと思いました。

私たちがイメージするアクセサリー(装身具)が、国によってこうも異なることを知りえる
またとない機会であり、もしかしたらアクセサリーへのイメージが変化することによって、
アクセサリー選びの好みに変化がでてくるかもしれませんね。

ぜひ、銀の世界を堪能してみてください。




【東アジア】
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東アジア地域では、龍や鳳凰、牡丹や桃、蝶や蝙蝠など吉祥文様が多く、これらの装飾は邪を払い招福を招くものとして装身具に用いられ身に付けられてきました。また中国のミャオ族などの少数民族には、今なお銀文化の伝統が生きており、祭りの時など驚くほど多様な銀の装身具が登場することでも有名です。





【東南アジア】
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東南アジアでは舞踊や儀礼のための装身具として音を奏でる指輪や腕飾りなど、地域独特のデザインが見受けられます。




【南アジア】
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南アジアを代表するインドを見てみると、装身具に深い愛着を示し、老若男女を問わず頭の先からつま先まで華麗な装身具で全身を飾ります。装身具をさす「ガハナー」は「抵当」を意味する言葉でもあり、このエリアの遊牧民や移動生活をする民族も同様に、財産としての役割も大きく肌身離さず身につける文化が発達しました。




【西アジア】
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西アジアでは経典を入れる護符の役割を持つ首飾りや、突起の鋭い武器のような腕飾りがあります。




【中央アジア】
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中央アジア地域のトルクメニスタンでは、紅玉髄(カーネリアン)をはめ込んだ大ぶりの装身具を身に付けることで知られています。可憐なハート型のアシクと呼ばれる背飾りは、お守りとして呪術的な意味があり、背後から病気や邪視に襲われないように背中に飾られました。赤い石が用いられるのは、赤色には怪我や出血から身を守り、視力を強める力があると信じられていたからです。



【趣旨】
古来よりその輝きは月光にも喩えられる銀。アジアにおいて銀は普遍的な素材として、また強い反射が邪悪なものをはね返す金属として尊ばれ、装身具に多用されてきました。とりわけ数百の民族が暮らすアジアでは、装身具は自身を飾るという目的以外に、民族のアイデンティティを示す重要なアイテムとして人々の暮らしの中で受け継がれてきました。それ故に存在感のある大胆な造形や手の込んだ細工など、ヨーロッパ以上に種類も豊富で固有なデザインが存在します。また装身具に込められた様々な思いをひも解くと、生命と直結した聖なるものとしての意義や身体装飾への情熱までも知ることができます。12月からのINAXギャラリー大阪では、近・現代のアジアの代表的な装身具270点★をご覧いただき、様々な歴史や民族が交錯するアジア大陸ならではの、地域の比較や特徴などを披露しながらその魅力に迫ります。

会場では、アジア全域の地図をガイドに、東アジア・東南アジア・中央アジア・南アジア・西アジアの5エリアを巡りながら、あらゆる体の部分に応じた各地域の様々な装身具を個々に堪能していただきます。銀細工の細かさや迫力ある造形美を間近に感じることができるでしょう。

東アジア地域では、龍や鳳凰、牡丹や桃、蝶や蝙蝠など吉祥文様が多く、これらの装飾は邪を払い招福を招くものとして装身具に用いられ身に付けられてきました。また中国のミャオ族などの少数民族には、今なお銀文化の伝統が生きており、祭りの時など驚くほど多様な銀の装身具が登場することでも有名です。一方、中央アジア地域のトルクメニスタンでは、紅玉髄(カーネリアン)をはめ込んだ大ぶりの装身具を身に付けることで知られています。可憐なハート型のアシクと呼ばれる背飾りは、お守りとして呪術的な意味があり、背後から病気や邪視に襲われないように背中に飾られました。赤い石が用いられるのは、赤色には怪我や出血から身を守り、視力を強める力があると信じられていたからです。南アジアを代表するインドを見てみると、装身具に深い愛着を示し、老若男女を問わず頭の先からつま先まで華麗な装身具で全身を飾ります。装身具をさす「ガハナー」は「抵当」を意味する言葉でもあり、このエリアの遊牧民や移動生活をする民族も同様に、財産としての役割も大きく肌身離さず身につける文化が発達しました。その他、西アジアでは経典を入れる護符の役割を持つ首飾りや、突起の鋭い武器のような腕飾りがあり、東南アジアでは舞踊や儀礼のための装身具として音を奏でる指輪や腕飾りなど、地域独特のデザインが見受けられます。さらに写真パネルでは、当時の民族衣装と合わせた装飾法や独特の着用法など、どのように身に付けられているのかが分かる貴重な古写真と現代写真を披露します。
現在では、アジア全体をみても生活様式が変化し、伝統的な装身具も姿を消しつつあります。民族装身具は、失われる地域の文化を今に伝える民族の誇りであり、部族の証として、普遍的な存在と言えるでしょう。力強く生命力溢れる銀の造形美をじっくり鑑賞できる希少な機会です。是非足をお運びください。
★日本宝飾クラフト学院コレクション



【データ】
タイトル: 聖なる銀 アジアの装身具
英語タイトル: Sacred Silver--Personal Ornament in Asia
会期:2012年 3月9日(金)~5月24日(木)
企画: INAXギャラリー企画委員会
制作: 株式会社LIXIL
協力: 日本宝飾クラフト学院
入場料: 無料
開場時間: 10:00~17:00(名古屋展)
休館: 水、5/20

INAXギャラリー 公式サイト




【重要なお知らせ】
INAXギャラリー名古屋さんは本展の終了を以て休廊されることになりました。

「建築・デザインとその周辺」というテーマで、
1988年のオープン以来数々の展覧会を開催。

こちらの展覧会は本当に希少なテーマを探し出され、
独自の切り口で斬新に見せていただけました。

私が特に印象に残っているのは、「チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925」展と
最近では「種子のデザイン」展。
どちらの展覧会も本当に驚き、「こんな世界もあるんだ。」と
新しい世界を切り開いていただけたことは今でも印象にのこっています。


また、企画としても大変学ぶ事が多く、質の高い企画を名古屋で見ることのできる
数少ないギャラリーでしたので、休廊されることは残念でしかたありません。

ですが、今まで長きにわたって上質で希少な展示を
開催してくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。
心よりお礼申し上げます。


取材は短い期間でしたが、展覧会のレポート記事をすべて掲載させていただきました。
また、ご担当の大原ディレクターにインタビューを
させていただいたことも印象深いできごとです。
記事一覧のラストにそのインタビュー記事を掲載させていただきましたので、
ぜひご覧ください。

美静




【凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展】

2011年12月2日(金)~2012年2月23日(木)

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山田健二 「フェラーリ 250 GTO」 (1962、イタリア)

凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展 展示写真レポート INAXギャラリー名古屋




【種子のデザイン -旅するかたち-展】

2011年9月9日(金)~11月17日(木)

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大阪市立自然史博物館蔵

「種子のデザイン -旅するかたち-」展 展示室内写真レポート INAXギャラリー名古屋




【愉快な家展 西村伊作の建築展】

2011 年6月3日(金)~8月18日(木)

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「愉快な家 西村伊作の建築」展 展示室内写真レポート INAXギャラリー名古屋




【夢みる家具 森谷延雄の世界展】

2011年3月4日(金)~2011年5月19日(木)

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左より: 「朱の食堂」より「茶卓子」(復元) / 「朱の食堂」より「肘掛椅子」(復元) 
2点とも松戸市教育委員会蔵 / 「鳥の書斎」の肱掛椅子(復元) 佐倉市立美術館蔵

「夢みる家具 森谷延雄の世界」展 展示室内写真レポート INAXギャラリー名古屋




【大原ディレクター インタビュー】

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大原 結 ディレクター  インタビュー&紹介  INAXギャラリー名古屋


撮影
浅井雅弘: 「愉快な家」
美静: 「その他すべて」




■ 画像はギャラリーの許可を得て撮影したものです。
転用等はご遠慮ください。


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凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展 展示写真レポート INAXギャラリー名古屋

凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展
BEAUTY IN MINIATURE Modelers of Classic Cars and Motorcycles

INAXギャラリー名古屋(伏見)


2011年 12月2日(金)― 2012年 2月23日(木)


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山田健二

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山田健二 「フェラーリ 250 GTO」 (1962、イタリア)

■ 最も美しいフェラーリと称されるフェラーリ 250 GTO。特別な思いで挑み、ラインを出すことに力を注いだ。部品の点数は1500点ほど。制作には一年を要した。(キャプションより)




INAXギャラリーでは、スクラッチビルドという、自らの手でゼロからすべてをつくりあげる模型のモデラーたちと彼らの珠玉の作品をとおして、究極の模型づくりに情熱を傾けるクリエイションの世界を紹介します。世界を彩る名車模型をご堪能ください。

スクラッチビルドの模型制作には、丹念な実車調査から組立て・塗装に至るまでの一連の作業が含まれます。その緻密さは驚くほどです。モデラーたちは、1mm に満たないパーツづくりに取り組み、パーツをつくる道具がなければそれさえ自前の作とします。完成までの何百、何千もの部品とのつきあいは数ヶ月から 1 年以上にわたります。制作に必要な様々な知識や技術、そして創造力と想像力を駆使してつくられていくプロセスはモノづくりの醍醐味と言えるでしょう。惚れ込んだ実車はやがて限りなくリアルに、彼ら独自の感性とともに縮小の造形へと生まれ変わります。それはモデラーたちが追い求めてきた夢の結晶であり、実車にはない魅力があふれています。


■ 本展のみどころ〔1〕
5人のアマチュアのスクラッチモデラーによる、それぞれ独自の技法でつくられた作品をご覧いただきます。どれもが高い完成度と工芸品のような品格を持ち合わせています。また制作プロセスがわかる図面、パーツ、自作の道具なども併せて展示します。拘り抜いた細部からはつくり手たちの情熱や創意工夫が伝わります。
まず、クラシックカーを好む濱上晴市氏の作品からは「ブガッティ T37A、T35B」(1/15)や「モーガン スリーホイラー」(1/15)などが登場します。ネジ一つまで忠実に再現した驚異の世界が広がります。その他ジャガー(1/24)などセミスクラッチ(キットをベースにつくられたもの)もご覧いただきます。エンツォ・フェラーリを敬愛しフェラーリだけをつくり続ける山田健二氏からは「250 GTO」(1/5)、塗装前の「F40」(1/6)他を展示。彼は素材に誰も使用していないバルサ材を選び表現しています。1960 年代のレーシングカーを好む水野秀夫氏からは、混合樹脂(ポリエステル)の「JW ガルフ ミラージュ M3 フォード」(1/24)を含む 3 台が登場。流れるようなボディラインで今にも走り出しそうです。高梨廣孝氏はメカニカルな魅力を持つバイクを主に制作しています。「ブラフ シューぺリア SS100 」(1/9)、未塗装の「ドゥカティ 851」(1/9)はエンジン部分の重厚感と美しさに圧倒されます。最後に斎藤勉氏からは、真鍮製の「ホンダ S800」(1/43)のアッセンブル・パーツ、またオリジナルキットの「フェラーリ モデューロ」(1/24)も大変ユニークな存在としてご覧いただけます。

■ 本展の見どころ〔2〕
多くのアマチュアスクラッチモデラーたちが憧れと敬意をもつ英国のG.ウイングローブ氏をはじめとする3人のプロモデラーたちの作品を紹介します。ウイングローブ氏は 2000 年にエリザベス女王より“Sir”の称号を与えられた初のモデラーです。世界で称賛される彼の代表作「イスパノ・スイザ」(1/15)をご覧いただきます。また、実車以上のリアリティを持つといわれるオーストラリアのA.ブルックマン氏の作品からは「フェラーリ F500」(1/12)を紹介します。最後に日本人モデラー、酒井文雄氏の作品からは、「ジャガーD タイプ」「ポルシェ 356」(ともに 1/12)をご覧いただきます。ほとんどのパーツの取り付けはネジ留めで構成され、分解も可能です。美しさはもちろん、高い耐久性や制作時間など数々の制約の中で完成した作品は、世界に一つだけの美術品のような貫禄と風格が表れています。それらの作品が見られる希少な機会です。
是非足をお運びください。




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濱上晴市 「ジャガー XK150S クーペ」 (1959、イギリス)

■ 全パーツ構成。オープンカーとして販売されたキットをクーペにした。ボディーはホワイトメタル、シャシー。エンジン、パーツはすべて真鍮製のフルスクラッチ。(キャプションより)


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濱上晴市 「ブカッティ T35B」 (1928、フランス)

■ 自動車史上、最も美しいと称されるブッカティ T35B。 ピカピカの直方体のエンジンはもとより、オイルパンにパイプが通る冷却装置、クラッチも忠実に再現されている。素材は真鍮とロジウムメッキ。シャシーにボディーを固定する側面の蝶ネジは、ブカッティ特有の形状で、ワッシャーと一体化している。その蝶ネジも再現した。直径は実寸法比より太目の0.8ミリ。ワイヤーは蝶ネジの緩め止めでその先の割れた部分に引っかけて固定されている。(キャプションより)


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濱上晴市



【新刊 INAX ブックレットのご案内】
INAX BOOKLET『凝縮美学 名車模型のモデラーたち』
(78ページ内カラー36ページ、税込価格 1,575 円)
構 成 案
〔図版構成1〕「極みの図像学」 撮影:塚田直寛
ブガッティ、フェラーリ、ドゥカティなど、スクラッチビルドの魅力に迫る。
〔図版構成2〕「モデラーたちの手仕事」 撮影:ジョナサン・エリス
独自の技法でスクラッチに挑む 4 人のモデラーを紹介。
〔インタビュー〕「名車物語」鈴木正文(月刊誌『ENGINE』(新潮社)編集長)
〔論考〕 「模型の歴史、魅力」平野克己(執筆家・『モデルカーズ』初代編集長)
〔エッセイ〕「名車模型への思い1・2」斎藤勉(アマチュアカーモデラー)、大内誠(テクニカルイラストレーター)
〔論考〕 「モデラーという仕事」 プロモデラーの仕事とモットーについて/酒井文雄、北澤史朗ほか
〔論考〕 「世界的なモデラーと出会って」植本秀行(株式会社メイクアップ)
ウィングローブ、ブルックマンら、優れたモデラーとの出会いと作品の魅力を語る。図版付き。
装丁・・・AD祖父江慎、デザイン吉岡秀典、福島よし恵(コズフィッシュ)





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酒井文雄作 ㈱メイクアップ所蔵 「ジャガー Dタイプ ショートノーズ」

■ 土台となる木型の修正は何度もくり返し、実車に近づけていく。ボディーは銅板を用いて、鍛金で制作。(キャプションより) 



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水野秀夫

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水野秀夫



【データ】
タイトル: 凝縮の美学 名車模型のモデラーたち
英語タイトル: BEAUTY IN MINIATURE Modelers of Classic Cars and Motorcycles
企画: INAXギャラリー企画委員会
制作: 株式会社LIXIL
協力: 斎 藤 勉 、酒 井 文 雄 、高 梨 廣 孝 、濱 上 晴 市 、水 野 秀 夫 、株 式 会 社 メイクアップ、山 田 健 二
入場料: 無料
開場時間: 10 :00~ 17:00(名古屋)

INAXギャラリー名古屋 公式サイト

■名古屋展 INAXギャラリー名古屋
会期: 2011年12月2日(金)~2012年2月23日(木)
休館日: 水曜日、年末年始

住所: 愛知県名古屋市中区錦1-16-20 グリーンビル LIXIL名古屋ショールーム B1
電話: 052-201-1716


撮影: 美静



■画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
転用等はご遠慮ください。


種子のデザイン -旅するかたち-展  展示室内写真レポート INAXギャラリー名古屋

種子のデザイン -旅するかたち-展

INAXギャラリー名古屋(伏見)


2011年 9月9日(金)― 11月17日(木)


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上段: 散布方法(風)
下段: 【散布方法: 火事】
山火事を待つ種子たち



【趣旨】
いま地球上にある多くの植物が、子孫を残す手段として種子を作ります。
日常生活のなかで目にする野菜や果物、穀類、あるいは街路樹や公園の草木に、われわれはあたりまえにその姿を見ることができ、さほど意識せず触れてもいます。しかし考えてみると種子は、食べられる果実をまとうもの以外にも、タンポポのように綿毛のあるもの、ひっつきむしのようにくっつくもの、ヤシのように繊維質で水に浮かび漂流するものなど、バラエティに富んだ形状をしています。どうしてこのような姿をしているのでしょうか。
本展では、私たちに身近なものから驚くような身なりをもつ世界のものまで、種子のかたちを、機能との関わりから考えます。

その関わりとは?植物は、広く多様な環境に生き残るため、自身では動くことのできないかわりに、種子のかたちにさまざまな戦略を講じています。そして、風、水、火、動物、自力といった自然の力を利用して、次世代を残すという大きな役割とともに飛び立つのです。

種子たちが遠くに旅立つ手段として、一番多様性に富んでいるのは風に乗る方法です。グライダー発明の元になった、滑空する種子アルソミトラ、羽根つきのような羽根で回転しながら落下するフタバガキ、風に舞い水に浮く二段仕込みの散布方法をとるスカフィウムなどが一例です。

水を利用するものには、マングローブの森で親木に守られて芽を出し、ほどよい大きさに育ったところで水の流れに乗り、根付く場所を探すオヒルギやメヒルギがあります。

あるいは山火事の多いオーストラリアやニュージーランドでは火の力を借りるものもいます。何年もの眠りを経て、火事の発生とともに熱の力で目覚め、散布されるハケアやバンクシアなどがそうです。

また、希少な自力散布の種子として、世界でもセイシェル諸島にしか生息せず、長径が30センチを越す、世界最大の種子フタゴヤシの迫力ある姿もユニークな存在です。

以上のほか、身近な種子の中も、蝶のような翼をつけて浮遊するキリ、プロペラをつけて舞い降りるカエデなどは、風散布の工夫を見事に纏った形状でしょう。じっくり見るとトゲの先がフック型になっているオオオナモミは、一度動物にくっつくと離れません。

会場では、国内外から集められた種子100点以上の実物標本を、散布方法ごとにコーナーを設けてご覧いただきます。その他、細部に寄った写真、飛行映像などで、その生態とデザインの見事な融合をご紹介します。

今展ではときにつつましく、ときにはしたたかに、次世代を残す旅に出る種子たちの工夫に満ちたかたちを存分にお楽しみいただけることでしょう。どうぞご期待ください。


【種子(しゅし、seed)】
種子植物(全植物の約80%占める)によって形成される散布体
(植物や菌類において分布を広げるために散布される単位となる構造。)

《構成要素は、種皮(皮膜)、栄養組織、胚(ハイ。受精卵がある程度発達した胞子体)の3つである。》
一般的には種(たね)と呼ばれるている。





【美静ポイント】
■ 子孫を残す為の機能的な姿と自然を利用する驚くべき生態

■ 機能美、オブジェとして見た場合のデザイン

■ 国内外から集められた100点以上の珍しい実物の種子標本

■ 多くの文章情報と理解しやすい説明文

■ 秀逸な展示方法など




【散布方法: 風、水、火、動物、自力】

【散布方法: 風】
風にのって旅をする

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【散布方法: 自力】
自力で種子を弾き飛ばす

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種子の中には、風や水、動物などの他の力に頼らないで旅立つものもある。自力で親元から離れるために用いる技は、物理的原理の利用だ。その一つが、果皮が乾燥すると収縮する動きで種子を飛ばすというもの。弾けて飛び散った種子は、迷彩色を身にまとっているものが多い。地上を歩きまわって餌を探すキジやハトなどの鳥や小動物たちに見つかりにくい効果があるのかもしれない。



【散布方法: 動物】
動物との巧みな駆け引き

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上左: 「ツノゴマ」 散布方法(動物) 大阪市立自然史博物館蔵
2本の鋭いツノで動物の毛にからまったり、脚を挟んだりしてついていく。また、通りかかった旅人が知らずに踏んでケガをする。「悪魔の爪」あるいは「旅人泣かせ」などとも呼ばれるひっつきむし。

上右: 「ライオンゴロシ」 散布方法(動物) 大阪市立自然史博物館蔵
アフリカに育つゴマ科の実で、全方向に鉛の錨のようはトゲをもち、動物の体のどこにでもひっかかる。口で取ろうとすると、今度は口の中にひっかかる。そのためものを食べることができなくなり、百獣の王ライオンさえも苦しむと言われていると、リドレイという人の著名な種子散布の本に記されている。大型動物の体についた果実から、種子が方々にばらまかれるのは間違いないことだろう。


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左: 「ナンバンサイカチ」 散布方法(動物) 大阪市立自然史博物館蔵 
種子がびっしりと並ぶ莢。種子は一つずつ薄い膜に遮られ、甘い果肉(黒く乾燥した部分)で包まれる。

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【散布方法: 水】
漂流する冒険者たち

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左: 「トウビシ」 散布方法(水) 大阪市立自然史博物館蔵
ヒシの最初に出た根は地中に伸びずに水中に伸びていくため、種子には茎を水底に固定する錨が必要。


水の流れを利用して散布するには、水に浮く工夫が必要である。水を利用する旅で、最もスケールの大きいのが海流に乗ることだろう。海岸植物の多くは海流を利用して種子散布しており、海流の流れに沿った広域分布をするものが多い。これらの種子や果実には、空気室や、繊維質やコルク質の組織があるなどで比重が軽い、長時間海水に浸っていても内部に塩水が入らないよう外皮の防水性が高くなっているなどの特徴がある。



【新刊INAX ブックレットのご案内】
INAX BOOKLET『種子のデザイン旅するかたち』
(72 ページ、定価1,575 円、9 月中旬発売予定)
内容
[図版構成] 風に乗って旅に出る
漂流する冒険者たち
動物とのたくみな駆け引き
[論考] 「種子のかたちと機能」(仮) 岡本素治(きしわだ自然資料館館長)
「葉っぱを工夫した種子の旅支度」(仮) 小林正明(飯田女子短大教授)
「時を超える旅人」(仮) 脇山桃子(森林インストラクター)


【データ】
タイトル: 種子のデザイン 旅するかたち
英語タイトル: SEED DESIGN : SHAPES FOR TRAVERING
企画: INAXギャラリー企画委員会
制作: 株式会社LIXIL
協力: 大阪市立自然史博物館、岡本素治、兵庫県立人と自然の博物館

イラスト: 上路ナオ子
会場デザイン: 稲垣立男(I plus N)

INAXギャラリー名古屋: 大原 結ディレクター

入場料: 無料
開場時間: 10:00~17:00(大阪展、名古屋展)、10:00~18:00(東京展)
名古屋会場住所: 愛知県名古屋市中区錦1-16-20 グリーンビル LIXIL名古屋ショールーム B1
名古屋会場電話: 052-201-1716

INAXギャラリー名古屋 公式サイト

■名古屋展 INAXギャラリー名古屋
会期:2011年9月9日(金)~11月17日(木)
休館日:水曜日

■東京展 INAXギャラリー1
会期:2011年12月1日(木)~2012年2月25日(土)
休館日:日祝日、年末年始

■大阪展 INAXギャラリー大阪
会期:2012年3月10日(土)~5月24日(木)
休館日:毎週水曜日臨時休館あり

※ 参考・引用: 展示パネル他


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【美静の言葉】
よい意味で大変な衝撃と感銘を受けました。

種子が子孫を残す為の機能的な姿と生態に賛嘆し、
圧倒的な機能美、アートのオブジェ、デザインとしても、
あまりにも素晴らしい。

同じ地球上で生息しているにもかかわらず、
種子に対して無自覚、無認識だったことに、
気づかされました。

企画展としてこうしたテーマを
世に紹介された企画者の皆様の心意気と着眼点。
そして種子を斬新な切り口で提案された事。

これぞ企画です。
もう傑出した展示だと思います。

私はアートの展覧会をたくさん見ていますが、
1つの展覧会として、本当に様々な事を考えさせられ、
今後のアートへのかかわりに影響を与えてくれるでしょう。

展覧会に携わった方々へ賛辞を贈りたいと思います。



■ 画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
  転用はお控え下さい。



取材・撮影: 美静


「愉快な家 西村伊作の建築」展 展示室内写真レポート INAXギャラリー名古屋

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中段: 文化学院 子供用机、椅子  ルヴァン美術館 / タイル貼り鏡台  西村記念館


INAXギャラリー名古屋で開催中の「愉快な家展 西村伊作の建築」に行ってきました。
展示室内には、実物の椅子や模型、各種パネルなどにより、
多角的に解明できるように工夫が凝らしてあります。

伊作は建築の設計者ですが、その思想は幅広く豊かな生活とは何かを、
100年前に考え実践していたことが理解できます。
その思想は現代にも通じ、普遍的な事がよくわかるでしょう。

驚いたことは、展示されてあった子どもたちの洋服まで制作していたことです。
実際の椅子などもシンプルで機能的であり、
こうしたことからも、伊作の思想が伝わってきます。

それにしても、INAXギャラリー名古屋は限られたスペースを、
創意工夫された多彩なレイアウトで展開され、
いつも感心してしまいます。

立地も名古屋栄、伏見駅からすぐの好立地、
しかも無料で鑑賞できます。


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中段: 子供用チェア 若竹の薗 / 伊作のスケッチ帖より 西村記念館
下段: 西村伊作デザインの子供服/複製 ルヴァン美術館


【趣旨】
教育者、文化人、さらには今までにない発想をもつ設計者として、
大正から昭和にかけて自由闊達に、鮮烈に生きた人物、西村伊作(1884-1963)。
自由な考え方は暮らしそのものにも及び、文化的に住まうライフスタイルを伝えようとしたのです。
理想の住まい、暮らしのユートピアのために、100年前に試みた、
彼の自邸や建築作品を中心にご紹介します。

会場では、まず伊作の思いが凝縮した自邸Ⅲを、
模型や間取り図をガイドに写真パネルで詳しく紹介します。

伊作は自邸のために、自分の生活に合う丈夫でシンプルな家具も数多くデザインしました。
その中から居間用の椅子やタイル貼りの化粧台など貴重な作品も実物でご覧いただきます。

また、教会や保育園を含めた現存する数少ない建築も9軒ご紹介します。
建設当時の雰囲気が伝わる写真と本展撮下しの写真を交えて、
物件ごとに回遊しながらご覧いただく仕掛けです。

さらに、アイデアを書きとめた直筆のスケッチブックや、
伊作が子供たちのためにデザインした洋服なども展示します。

これら100 年前の伊作の提案からは、現在のライフスタイルの原点が見出せることでしょう。
彼の理想の住まいの形は、今見ても発見や驚きが多いことに改めて気付かされます。
どうぞご期待ください。


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上段: 西村伊作自宅Ⅲ模型  ルヴァン美術館
下段左: 倉敷キリスト教教会模型  西村記念館



【データ】
会期: 2011 年6 月3 日(金)~8 月18 日(木)
休館日: 水曜日、夏期休暇
所在地: 名古屋市中区錦1-16-20 INAX名古屋ショールーム2 階
電話: 052-201-1716
入場: 無料

INAXギャラリー名古屋 公式サイト



画像・記事は主催者の許可を得て、取材・撮影をしたものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 浅井雅弘


「夢みる家具 森谷延雄の世界」展 展示室内写真レポート INAXギャラリー名古屋

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下段左より: 「朱の食堂」より「茶卓子」(復元) / 「朱の食堂」より「肘掛椅子」(復元) 
2点とも松戸市教育委員会蔵 / 「鳥の書斎」の肱掛椅子(復元) 佐倉市立美術館蔵



楽しみにしていた展覧会ですが、やっと行けました。
INAXギャラリーは、他では取り上げない隠れた作家にスポットを当てるので、
毎回とても楽しみにしています。

本展の森谷氏もその1人ですが、
詩的で甘美、ロマンティシズム漂う意匠。
これが戦前に創作されたというのですから驚きです。
ちょうど現代の風潮に合う企画として、意義が見出せますね。

さて、「夢見る家具」とのことですが、
その通りに、甘美でいて繊細、優雅、柔らかさが香るが如くの佇まい。
これか、1900年代の初めに存在したかと思うと、
当時の人たちからみたら、本当に夢の家具だったことでしょう。

すこし年代はすれ違いになりますが、イラストレーターの中原淳一の世界にも
通じるイメージがあります。

会場では、現存する数少ない森谷の家具から復元を含めて13点。
最大の見どころとしては、詩的感受性が存分に発揮された
室内空間を紹介するコーナーでしょう。



【概要】
《詩を奏でる室内装飾 大正の若き家具デザイナー》

33歳という若さで夭折した家具デザイナー・森谷延雄(1893-1927)。
20代後半に欧米へ留学して以来、わずか数年のうちに、
研究、家具デザイン、執筆、教育など、驚くほど膨大な仕事を、
家具界発展のために成し遂げました。

1923年の関東大震災後の復興期にあって、当時の室内装飾の潮流に逆行し、
自身の理想を貫いた人でもありました。

森谷のつくる家具はまるで詩の世界から飛び出してきたかのように甘美で繊細です。
そのエッセンスは、中流家庭への洋家具普及を目指した工房「木のめ舎」の
廉価で実用的な作品さえからも感じ取ることができます。

今に至っても森谷の詩的な世界観が投影された家具デザインは稀有な存在です。
なぜこのようなデザインが創り出されていったのでしょうか。
本展では、家具デザインを中心に、濃縮された人生に遺された希少な資料を考察しながら、
森谷の人間像を浮かび上がらせます。



【データ】
会場: INAXギャラリー 名古屋
会期: 2011年3月4日(金)~2011年5月19日(木)
休館日: 水曜日、3/16-30、5/15 10:00~17:00  入場無料

INAXギャラリー名古屋 公式サイト


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下段左: 「洋風書見木具」(1926) / 「洋風書見木具」とセットの椅子(復元/1926)
2点とも(財)鎌田共済会蔵
下段右: 「ねむり姫の寝室」の腰掛(復元) 佐倉市立美術館蔵



画像は主催者の許可を得て撮影をしたものです。
画像の転用はお控えください。


取材・写真撮影者: 美静