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「カンディンスキーと青騎士展」-壮大な旅物語の終着点 愛知県美術館

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上段: ヴァシリー・カンディンスキー 《印象Ⅲ(コンサート)》 1911年 レンバッハハウス美術館蔵(本展最大の重要作)

【上画像2点は主催者の許可を得て撮影したものです。】


【感想】
《カンディンスキー展と青騎士展を観て-壮大な旅物語の終着点》

今からちょうど9年前の2002年、私は、東京国立近代美術館で、
縦2メートル横3メートルの「コンポジションⅦ」を前に圧倒されていました。

黄・青・赤・白・緑・・・まばゆいばかりの色彩、
どこに焦点が定めていいのか分からないのに、
なぜかフォルムは危うい均衡が取れていて美しい・・・
巨大な作品を前にかたずをのんだこと、今でもよく覚えています。

それがカンディンスキーの作品との出遭いでした。

カンディンスキーは両親からロシア(父方の祖母はモンゴルの血も流れています)と
ドイツ双方の文化を受け継ぎ、込み入った生涯の軌跡をたどります。
活動の拠点も、ロシア、ドイツ、フランスの3国にまたがります。
そして20世紀前半のヨーロッパ社会の歴史的な変化と伴に生きます。
(詳細は、愛知県美術館開催の『カンディンスキーと青騎士展』カタログより)


愛知県美術館で現在開催されている『カンディンスキーと青騎士展』の
工夫を凝らされた展示室を通して、カンディンスキーが、
自分の生い立ち、社会の変遷を敏感に受け止め、
カンバスに具現化していった過程を、体感することができました。

同展覧会の展示室の終着地点をになうのは、「コンポジションⅦのための習作2」。
ここでも私は、9年前と同様、途方も無いめまいを感じました。
なぜ?こんなにも圧倒され惹き付けられるのか?

そこには、転換期の混乱と不安そして「希望」、社会の光と闇、
人間が連綿と折り重ねてきた時間、
歴史への壮大な旅物語が描かれているからかもしれません。

【執筆: 古藤典代】




【章展開】
序章: フランツ・フォン・レンバッハ、フランツ・フォン・シュトゥックと芸術の都ミュンヘン
第1章: ファーランクスの時代―旅の時代 1901-1907年
第2章: ムルナウの発見―芸術的総合に向かって 1908-1910年
第3章: 抽象絵画の誕生―青騎士展開催へ 1911-1913年


【出品作家(50音順)】
マリアンネ・フォン・ヴェレフキン(1点)、ヴァシリー・カンディンスキー(30点)、
パウル・クレー(1点)、フランツ・フォン・シュトゥック(3点)、アウグスト・マッケ(6点)、
フランツ・マルク(3点)、ガブリエーレ・ミュンター(8点)、
アレクセイ・ヤウレンスキー(5点)、フランツ・フォン・レンバッハ(3点)。


【ギャラリー・トーク】
2月26日(土)  11:00-11:40
3月12日(土)  11:00-11:40
3月25日(金)  18:30-19:10
4月09日(土)  11:00-11:40

※ 申込み不要・聴講無料。観覧券をお持ちの上、開始時刻に美術館ロビーにお集まりください。


【データ】
会期: 2011年2月15日(火)-4月17日(日)
会場: 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10F)
会館時間: 10:00-18:00(金曜日は20:00まで)
休館日: 毎週月曜日、3月22日(火)(但し3月21日(月・祝)は開館)


愛知県美術館 公式サイト
愛知県美術館 公式ブログ



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上段: ヴァシリー・カンディンスキー 《鏡》 1907年 愛知県美術館蔵
下段: フランツ・フォン・レンバッハ 《オットー・フォン・ビスマルク侯爵》 1895年 レンバッハハウス美術館蔵

【上画像2点は主催者の許可を得て撮影したものです。】




※ 本展は全国4会場を巡回しますが、ヴァシリー・カンディンスキー《鏡》1907年 愛知県美術館蔵
  (画像上から3枚目)の作品は、参考出品として、愛知県美術館での展示に限って出品されます。



画像は主催者の許可を得て撮影したものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 中村友香里


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畑 温子 絵画科(洋画) 2011 名古屋芸術大学卒業制作展 展示写真レポート

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畑 温子 「spread or peel」 愛知県美術館ギャラリー


2011年の各大学卒業・修了制作展の記事をたくさん書きましたが、
大トリを飾るのは名古屋芸術大学絵画科(洋画)の「畑 温子さん」
(名芸卒展の楽しみの1つが、畑さんの作品を観ることでしたので。)

学校と愛知県美術館ギャラリーの2会場とも行きましたが、
作品数も多く、とても満足できました。


今年1月の「Yorimichi四人展」鑑賞時もそうだったのですが、
愛知県美術館ギャラリー洋画の展示室内に入り全体を見渡すと、
1つの作品に目がとまりました。
確認すると、畑さんの作品だったのです。

感覚的なものですが、よほど彼女の作品が好きなんだろうな~と。
いつも作品を先に観ていいな~と思うと彼女の作品なのです。

それが、2回目と本展は平面ですが、一番最初に観た作品が立体だったので、
なおさら、感覚なのだろうと思うのです。



本展の作品については、卒業制作作品ならではの風格が感じられ、
渾身の想いが伝わってきます。

彼女の作品からは「真摯で格調高い精神性」が感じられるのです。
ここが、この上なく魅了される最大の意義です。






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《言葉》「畑 温子」

「私は装飾や模様に強い魅力を感じる。
装飾や模様は人間に遮られること、人間に身につけられる事によって
魅力を増すと私は考える。

ケルトの福音書の装飾、北斎の肉筆画、ウィリアム・モリスの壁紙に、
現代の雑誌から切りぬいた人物写真をコラージュし、モチーフとした。
支持体は膠引きのキャンパスに白亜地を使い、色にこだわった。」

※上記文は卒業制作作品には直接的に関係ないと思われますが、
印象的な言葉でしたので。


《展覧会》
2011年01月 「Yorimichi 四人展」 愛知芸術文化センター地下2階スペースX
2010年11月 「旧加藤邸アートプロジェクト<記憶の庭で遊ぶ>展」
        国登録有形文化財旧加藤家住宅
2010年02月 「michikusa5人展」 名古屋芸術大学アートスペースT.A.G IZUTO
2010年02月 「洋画3年生選抜展」 名古屋芸術大学内 ギャラリーBE


《関連記事》
「2011 名古屋芸術大学 卒業制作展 ニュース」
「Yorimichi四人展 鑑賞」
「旧加藤邸 2010 「記憶の庭で遊ぶ」 鑑賞」





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上段右:畑 温子 「ぽつ、ぽつ」 
下段 :畑 温子 「壁画」
名古屋芸術大学 西キャンパス アート&デザインセンター



会期: 2011年3月8日ー3月13日
会場: 愛知県美術館ギャラリー、名古屋芸術大学 西キャンパス アート&デザインセンター



画像はご本人の許可を得て撮影・公開したものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 中村友香里


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日本画、メタル&ジュエリー 2011 名古屋芸術大学卒業制作展 展示写真レポート

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尾崎有香 「夢路の果て」 絵画科(日本画)


《尾崎有香 「夢路の果て」絵画科(日本画)》
はっとするほどの綺麗さで、一際目輝いていました。
白系をベールがごとくおおい、やさしいトーンの色が、
豊かにキャンバスに彩られています。

神話などが連想されますが、尾崎さんがイメージされた
世界が展開。

和と洋がからみあい、独自の世界を感じさせてくれます。
本展でお気に入りの作品の1つです。
それにしても、麗しい絵ですね~。


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小田絵美「サン=ヴァンサン大聖堂」絵画科(日本画)

《小田絵美 「サン=ヴァンサン大聖堂」 絵画科(日本画)》
直線が数本天上に向かい曲線となる。
ダークな色彩の中、印象的なステンドグラス。
こうした端正で高貴な雰囲気の絵が少なかったので、
余計に印象に残りましたが、大好きな絵の1つです。

この作品は小田さんが2010年8/23~9/1にフランスにフレスコ研修に行かれ、
聖堂めぐりなされた時の思い出の地。

いいですね。
学生時代にこうした異国の地での体験はさぞ鮮烈にいつまでも記憶に残ることでしょう。
それを卒業制作の作品として描かれたなんて素敵なお話です。

フレスコ画研修(中日新聞Web)

「サン=ヴァンサン大聖堂」
シャロン=シュル=ソーヌはブルゴーニュ州ソーヌ=エ=ロワール県に位置。
人口約4万6千。パリの東南約340km。
フランス文化省から「芸術・歴史都市」に指定。

「サン=ヴァンサン大聖堂」は町の象徴的建築物で、
1903年に歴史記念物に認定されています。



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武田 光 「HACO」 デザイン学科メタル&ジュエリー選択コース


《武田 光「HACO」デザイン学科メタル&ジュエリー選択コース》
とてもかわいいです!
温かみの感じるフェルトの素材感に、
金属系の造形物をあわせ、抜群の美的感覚。

色彩もいいですよね。
フェルトは独得の色を出すので、
なおさら、素敵なコーディネート。

そして、フェルト箱の上に飾られた作品が、
1つ1つなんともいえない、かわいいフォルムをしてるんですよね!

きれいなショップやギャラリーの空間に置かれたら、
さぞ人気作品になることでしょう。


 3人の学生さんから快くご了承いただき、
小田さんと尾崎さんには、いろいろご配慮していただけました。
みなさんありがとうございました。



会期: 2011年3月8日ー3月13日
会場: 愛知県美術館ギャラリー



画像はご本人の許可を得て撮影・公開したものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 中村友香里


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造形、メディアデザインコース 2011 名古屋芸術大学卒業制作展 展示写真レポート

美術学部造形科造形選択コースはユニークな作品が多く、
観ていて本当に楽しいですね。

昨年退官なされた庄司 達先生の教え子にあたると思うのですが、
過去の教え子方も含めてみなさん引き込むだけの個性が、
それぞれあってすばらしいです。


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伊藤直志 「先入観」 美術学部造形科造形選択コース


《伊藤直志「先入観」》
この作品はとても楽しめてコンセプトにも大いに共感し感心しました。

建物に入るためにドアノブでトリックがしかけてあるために、
表面的にはトリックアート的なイメージを受けるかもしれませんが、
もっと深い意味がこめられています。

タイトル通りの「先入観」にハッとさせられる。
これは、日常の生活中でも、常識、価値観、改革、チャレンジ、
当たり前、異端、斬新、みんなと一緒などなど、
様々なことにつながっていますね。

ちなみに、建物の前でスリッパに履き替え、ドアノブをまわしても開かないために、
そのまま立ち去ってしまうか方たちも多かったと。

アート作品は基本さわってはいけないという先入観があるので、
なおさら、無理して壊してしまったらという心理が自然と起こるのでしょう。

そうゆう私とカメラガールも、入口でひっかかりました~。



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花木円香 「キオクとタイケン」 デザイン学部デザイン学科メディアデザイン選択コース


《花木円香 「キオクとタイケン」》
ドライアイスの煙を利用したインスタレーション。
全4種類の画像が床に映し出され、
スクリーン(床)を踏むと各映像にあった足音が鳴ります。

綺麗で幻想的、これも、楽しかった~。


会期: 2011年3月8日ー3月13日
会場: 名古屋市民ギャラリー矢田



■ 画像はご本人の許可を得て撮影をしたものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 中村友香里


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感想 没後120年 ゴッホ展 名古屋市美術館

日本でもっとも人気のある画家の一人であろうファン・ゴッホ。
本展も非常に多くの人出が見込まれます。

プレス内覧会で鑑賞しましたが、、
当日は大変な事件が起こり、
ゆっくり観れませんでしたが、
感想を書きたいと思います。


ファン・ゴッホは多くの企画展が開催されるので、
新しい切り口みたいなことも必要でしょう。

そこで、本展はサブタイトルの「こうしてゴッホになった」の通り、
27歳で画家を志し、37歳で永眠するまでの過程を追っています。

ここで1つ、多くの方たちが知っている「ひまわり」に代表される
ファン・ゴッホの絵は、「アルル時代」の作品だと思うのです。

この時期は、幸福にあふれ輝くばかりの色彩により、
次々に傑作が描かれた時期ですが、期間としてはわずか15ヶ月くらいのことで、
本展は、このアルル時代からそれ以降の作品ばかりではありません。

しかし、アルル以前の作品はあまり観る機会がなかったと思うのですが、
本展では、アルル時代前の作品をたくさん観ることができるのです。
他にも影響を受けた印象派の画家(モネ、スーラなど)の作品や、
ゴッホが集めた浮世絵コレクションなど展示されています。


ファン・ゴッホはとても勉強熱心な方で、最初からの天才ではなく、
とてつもない努力をした人。

画家になったのも、語弊があるかもですが、もうこの道しか残された道はなかったのですね。
だから、まったく評価されず、売れもしなかったのに、描き続くことができた。


独学をし、浮世絵、印象派から影響を受け、ついには独自の画風を習得した。

本展は、展示されている絵から、彼がどんな人で、どのような人生をたどったかを、
知ることのできる展覧会です。


ただ、何も知らずにいかれると、少々戸惑いもあるかもしれませんし、
多くの人混みの中ではなかなか大変だと思いますので、
事前に彼の画風の過程を知っておくとすんなり効率よく、楽しめると思います。
(当ブログでも、各時代ごとに要点をまとめてありますので、
よかったらご覧ください。)

なにも傑作だけを集めれば良い企画展とも限りませんし、
そういった意味でも、観る人にもゆだねられますし、
美術展の奥深さも発見できる機会だと思います。


他にも、キャプション(説明文など)も従来より大きな文字で、高さもやや高めにと、
混雑の対応もなされています。


【関連イベント】

《映画上映会》
アラン・レネ監督「ゴッホ」(1948年、アカデミー賞短編映画賞、18分)、
「ゴーギャン」(1950年、13分)
2011年2月25日(金)、3月4日(金)、11日(金)、18日(金) 午後5時30分~/6時30分~
名古屋市美術館講堂(定員180名、先着順、入場無料)


《解説会》
2011年3月20日(日) 午後2時~
名古屋市美術館講堂(定員180名、先着順、入場無料)
深谷克典(名古屋市美術館学芸課長)

「アルルのファン・ゴッホ」
ゴッホの芸術が一気に頂点に上りつめたアルル時代。
有名なゴーギャンとの確執も踏まえながら、
なぜこの時期に彼独自の様式が完成したのかを探ります。


【データ】
開催期間 :2011年2月22日(火)~4月10日(日)
開館時間 :午前9時30分~午後5時 金曜日・土曜日は午後8時まで(入場は30分前まで)
休館日  :毎週月曜日、ただし3月21日(月・祝)は開館、3月22日(火)は休館

詳細は公式HPをご覧ください。

名古屋市美術館 公式HP
没後120 ゴッホ展 公式HP


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  辻 恵  2011 愛知県立芸術大学卒業・修了制作展

辻 恵 (日本画 修士)

第42回 平成22年度 愛知県立芸術大学卒業・修了制作展

第1会場: 愛知県美術館ギャラリー8F (愛知芸術文化センター8F)
第2会場: 愛知県立芸術大学 芸術資料館


2011年 3月1日(火)― 3月6日(日)


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 ■修了制作「したく」(1620×2273mm 木製パネル 高知麻紙 顔料 膠 アルミ箔)
 ■写真撮影: 中村友香里


■制作意図 (辻 恵)
白い布を広げる…
例えば赤ん坊を包む布、食卓のテーブルクロス、花嫁の衣装、ベッドシーツ、亡くなった人を悼む、白い布。
布を広げるということは生活のさまざまな行為、「したく」の中にあります。
日々を生きること、次の瞬間は何が起こるか分からず、明日さえもあやふやで何も見えません。
しかしその暗闇に白い布を広げることは、あやふやな世界に橋を渡すような、
次を繋げる行為のように思えるのです。



《想うこと》
一目惚れ。
こんな感覚はひさしぶりかもしれない。
大きな箱に展示作品がたくさんならび、
奥まった位置に、ひときわ輝く作品。
(本展167人中でNO.1)

夢中で、ず~と観ていました。
自分の好きなものは結局は感覚です。

魅了される度合いが高ければ高いほど、
言葉での表現がむずかしい。
必要ではないような気がする。


最初、直感で踊ってるかのような印象をうけた。
シンプルで流れるようなラインの服をまとった美しき女性が2人。
気高く布を舞い。
しなやかに躍動する。
そして、影。
色彩はモノクロームが美しさを引き立てる。

キャンバスに描かれた、夢幻な世界。

光明からの希望と無垢。

ただ、ただ、美しい。


■装丁
彼女の作品は多くの方々に受けいれられることでしょう。
アートとしては当然のことながら、装丁、挿絵など。
装丁家の鈴木成一賞を受賞なされていますが、
この方は、装丁では第一人者です。


■GEISAI
辻さんは3/13(日)に開催される
「GEISAI」(村上隆プロデュースの芸術の祭典)に出品されます。
↑ 中止になりました。

「GEISAI」 公式サイト



■TITLE LIST
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【辻 恵/Tsuji Megumi】

「辻 恵」 公式サイト

2003 三重県立飯野高等学校応用デザイン科日本画専攻 卒業
2005 愛知県立芸術大学美術学部日本画専攻 入学
2009 愛知県立芸術大学美術学部日本画専攻 卒業/同大学美術研究科日本画領域 入学
2011 同大学美術研究科日本画領域 修了予定


■賞暦
・ 第27回上野の森美術大賞展 入選
・ ペーターズギャラリーコンペティション2009 鈴木成一賞
・ シェル美術賞2009 入選
・ 第4回 翔け!二十歳の記憶展 準グランプリ
・ 第172回 The Choice(山村浩二選) 入選


■EXHIBITION

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【データ】
会期: 2011年3月1日(火)-3月6日(日)
会場: 愛知県美術館ギャラリー



■ 画像(修了制作「したく」)はご本人の許可を得て撮影をしたものです。
又、その他の画像はご本人から提供していただいたものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 中村友香里


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「カンディンスキーと青騎士」展  展示室内写真レポート  愛知県美術館

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下段: ヴァシリー・カンディンスキー 「万聖節Ⅰ」 1911年

【上画像2点は主催者の許可を得て撮影したものです。】


予想以上にきわめて上質な作品と内容により、
至福の喜びに浸れました。


【作家&作品の感想】

《色彩とフォルム》
いろんな感想や視点、良さがありすぎてこまるのですが、
なんだかんだ言って、一番は作品の数々がすばらしくて
観ていると楽しいのです。
本展は最大の良さは、これに尽きます。


《ヴァシリー・カンディンスキー》
さらに言えば、カンディンスキー抽象絵画の傑作群。
鮮烈な色彩のハーモニーとシュールで感性を刺激するフォルム。
宇宙を感じさせる魅惑的な世界。

もちろん、年代順に展開されているので、カンディンスキーの作風が
約12年間でどのように変換していったのかが、
顕著に表われているので、理解しやすいですし、どの時代の作品も魅せてくれます。

また、青騎士が当時いかに革新的であり、美術史として今日への影響という意味でも、
作品及び「青騎士」年鑑資料などからも考察・実証されています。


《フランツ・マルク、アウグスト・マッケ、ガブリエーレ・ミュンター》
また、他の青騎士のメンバーの作品が、カンディンスキーに引け劣らないほど秀逸で、
これが、さらに上質な展覧会に押し上げる要素になっています。

めったに観ることができないというのもそうですが、必見でしょう。
もっと日本でも注目されてもいいと思うのですが、
それだけ青騎士が革新的で、すぐれた美術集団だったことが実感できます。

ミュンターはチラシには一点も載っていなかったので、
本展会場で初めて目にしましたが、正直驚きました。

メンバーの中で女性1人ということもあり、他のメンバーの作品と調和とアクセントが良いですね。
彼女の作風はクロワゾニスム(ポスト印象派様式)の太い輪郭線で縁取られているからなのか、
かわいらしいのですね。現代に通じる感覚を感じます。


《ひとこと》
現代の生活では、抽象表現を自然と目にしていることも多いので、
抵抗なく楽しめると思います。

特に色彩が豊かで明るい作品が多いので、女性にも向いていると思いますし、
感性で感じることが好きな方たちにも、楽しめると思います。

カンディンスキーや青騎士を知らなくても、作品としてもすんなり溶け込め、
展覧会全体としても、質が高く、アートの世界の醍醐味を十二分に感じていただけると思います。


でも、本当にいい展覧会だと思います。



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上段: 参考出品 ヴァシリー・カンディンスキー、フランツ・マルク編
    「青騎士」年鑑 1912年、ピーパー社、ミュンヘン(初版)
    愛知芸術文化センター、アートライブラリー/
    ヴァシリー・カンディンスキー《印象Ⅲ(コンサート)》1911年(中央作品、本展最大の重要作)
下段: アウグスト・マッケ 「遊歩道」 1913年

【上画像3点は主催者の許可を得て撮影したものです。】



【展覧会の総感想】
作品以外のことも満足感を得るためには大切なことだと思っていますが、
本展は細部にいたるまで、見事な出来栄えです。

《序章の展示室1》
入った瞬間、いきなり重厚な雰囲気に包まれ、この先の展開に期待をもたせてくれます。
これだけ照明を落とした展示室も珍しいような気がするのですが、
赤い壁面と格調高い作品と相まり幕開けとして最高の空間です。

《写真》
珍しかったのが、カンディンスキーたちが写った当時の写真が何十点もの多数、
作品と同じように展示されていることです。
写りもいいですし、青騎士のメンバーたちがリアルにイメージできこれはよかったですね。
また、配置としても変化ともたせ、非常に効果的でした。

《作品配置》
じっくりと近くで、離れて、多角的に観ていると、前後の関連性やハーモニーの
すばらしさを堪能でき、ため息がでるほどの美意識を感じます。

《キャプション、作家解説など》
あまりにも秀逸。
鑑賞者への立場となって考え抜かれた、あらゆる要素にきっと満足できると思います。

《図録》
取り上げるくらいなので、いかに出色かがおわかりいただけるかと思うのですが、
章解説、作品解説など「非常にわかりやすい」のです。
難しいことを、必要最低限の言葉と表現を駆使し、簡潔に伝えています。
また、論文も深く解明したい方には読み応えあります。



【章展開】
序章: フランツ・フォン・レンバッハ、フランツ・フォン・シュトゥックと芸術の都ミュンヘン
第1章: ファーランクスの時代―旅の時代 1901-1907年
第2章: ムルナウの発見―芸術的総合に向かって 1908-1910年
第3章: 抽象絵画の誕生―青騎士展開催へ 1911-1913年


【出品作家(50音順)】
マリアンネ・フォン・ヴェレフキン(1点)、ヴァシリー・カンディンスキー(30点)、
パウル・クレー(1点)、フランツ・フォン・シュトゥック(3点)、アウグスト・マッケ(6点)、
フランツ・マルク(3点)、ガブリエーレ・ミュンター(8点)、
アレクセイ・ヤウレンスキー(5点)、フランツ・フォン・レンバッハ(3点)。


【ギャラリー・トーク】
2月26日(土)  11:00-11:40
3月12日(土)  11:00-11:40
3月25日(金)  18:30-19:10
4月09日(土)  11:00-11:40

※ 申込み不要・聴講無料。観覧券をお持ちの上、開始時刻に美術館ロビーにお集まりください。


【データ】
会期: 2011年2月15日(火)-4月17日(日)
会場: 愛知県美術館(愛知芸術文化センター10F)
会館時間: 10:00-18:00(金曜日は20:00まで)
休館日: 毎週月曜日、3月22日(火)(但し3月21日(月・祝)は開館)


愛知県美術館 公式サイト
愛知県美術館 公式ブログ



DSC_0081.jpg DSC_0122.jpg DSC_0118.jpg DSC_0259.jpg DSC_0296_20110301034321.jpg DSC_0247.jpg DSC_0199.jpg
上段: ヴァシリー・カンディンスキー 「山」 1909年
中段: ヴァシリー・カンディンスキー 「オランダ―ビーチチェア」 1904年/
    ヴァシリー・カンディンスキー 「《日曜日(古きロシア)》のためのスケッチ」 1904年/
    ガブリエーレ・ミュンター(3点とも)
下段: フランツ・マルク 「虎」 1912年 /
    ヴァシリー・カンディンスキー 「《室内(私の食堂)》 1909年

【上画像7点は主催者の許可を得て撮影したものです。】



※ キャプション付作品はすべて「レンバッハハウス美術館蔵」 (青騎士年鑑は除く)
※ 「カンディンスキーと青騎士」展の記事を会期中にまたUPする予定です。



画像は主催者の許可を得て撮影をしたものです。
画像の転用はお控えください。


取材責任者: 美静
写真撮影者: 中村友香里


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