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ワタナベ アキナ 個展 Sense of Wonder(プリズム) 展示写真レポート ギャラリー矢田

ワタナベ アキナ 個展

Sense of Wonder(プリズム)展

自主企画  会場:名古屋市民ギャラリー矢田


2012年 10月16日(火)― 10月21日(日)


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①「Mountain」 2012 acrylic paint on canvas 227×158㎜
一番のお気にいり作品。

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この小さな2つの作品と構成は、ワタナベさんの魅力を最大限に感じさせる渾身の作であり、本展最大のハイライトでしょう。


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上画像の2作品が、中央に2つ並んで写っています。
右側のグリーンの作品が本展で一番大きな作品ですが、注目すべきは作品の配置距離で、一番大きな作品と一番小さな作品を並べ対比させ、鑑賞時に隣の作品が視界に入らないよう(大きな作品は引いて鑑賞もしますので)にかなり距離を開けて配置しています。




〔prologue〕
コマーシャルギャラリーで一枚のDMが目にとまりました。
作品に強く惹かれ、画像写真もこだわった事が伝わり、全体的なデザインもシンプルながら上質なセンスを感じさせました。

作家名「ワタナベ アキナ」 
覚えのない名であり(結局は以前に観た展示の中の出品者の1人ではあった。)、会場が矢田ということでおそらく自主展示、それも個展とは…
よい作家かもしれないと予感させられるだけの情報がDMから伝わってきました。




【全体】
観に行ってきましたが、直感通りの素敵な作品の数々で、実に洗練された展示でした。
全体的な印象としては、繊細でよく練られ、お客様側の目線と自分の伝えたいことのバランスがよく(客観性)、本展にかける意気込みと真摯な姿勢が、静かですが迫ってくるようでした。

作品の数と大きさに対して一見手強そうな広い空間をあえて選び、逆に活した様は見事でしょう。
作品構成や配置は実に秀逸で、初個展で自主企画とは驚きです。
DMでもそうですが、デザインの経験もあるかのような感じを受け、また他の方がキュレーションしていそうな端正な展示で、このレベルはコマーシャルギャラリー並だと思います。

ポートフォリオで以前の作品も見ましたが、おそらくは本展で大きな変化(チャレンジ)が、あったように見受けられます。



【作品】
今お伝えしたことは作品以外のことですが、やはり何より肝心な事は作品の質でしょう。

わたしが一番惹かれる点は色彩で、色合わせは卓越したセンスを感じさせます。
画像①「Mountain」や③「春の風」は、ダークな色とピンクを合わせていますが、このコントラスト、光と影の対比にはたまらなく魅了されます。

また、この組み合わせの対比として、淡い色同士で構成されている作品(画像②「光視症」や④「Sea」もありますが、これは全体構成の意味も含めての事ではないかと思います。
色としてはピンクが構成のメインカラーとして最も効果的に使われ、発色がよい蛍光色がよりインパクトを与えています。

作品の構成要素は形と色彩だと思うのですが、ワタナベさんの場合は色彩の作品とゆう印象が強く、フォルムはご覧のとおり抽象化しており元の形態はわかりませんが、イメージとしては有機的抽象に分類されるでしょう。


筆跡が右上から斜めに規則的に描かれているのが特徴で、この点も重要な要素となり作品を司っています。
この規則性は、有機的抽象に対比する幾何学的抽象の要素ともなり、離れて観ると面として捉えることができ、抽象化した形態を視覚的に伝える効果も担っています。
また、この筆跡によって動きやリズム、生きいきとしたイメージが生まれ、自然界をモチーフとした生命力や四季によって変化する様々な表情を表現しているのが感じられます。


文章の中で「対比」という言葉を何度もつかいましたが、本展は「対比」がテーマとしても見えてくるようです。光と影、明暗、異質なモノを合わせより輝きをます。
合う点と異なる点の組み合わせ。
調和と不調和が生み出すもの。

私はこうした対比する要素が含まれ、繊細で綺麗な作品も好きなので、個人的に好みの作品ということになりますが、客観的に見た場合は、不調和だったり、あえて崩す点、より異彩を放つアクの強さが少しプラスされるだけで、より惹きつけるものが生まれ、次のステージへステップアップできる可能性が増すと思います。




〔epilogue〕
いろいろ書きましたが、本当にすばらしくも素敵な個展だったと思いますので、
様々な意味合いを込めて拍手を贈りたいと思います。

また、十分な結果を出されたと思いますし、潜在能力の高さと可能性を感じましたので、さらに独自の表現を高められ、よりすばらしい作家になっていただけたらうれしく思います。

美静




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②「光視症」 2012 acrylic paint on canvas 727×606㎜

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③「春の風」 2012 acrylic paint on canvas 910×727㎜



■ ワタナベ アキナ 略歴

1984  静岡県出生  愛知県在住
2005  名古屋芸術大学 美術学部絵画科洋画コース入学

2007  グループ展「本当の話〜かすかな気配がするぞ〜展」(名古屋芸術大学アート&デザインセンター)
      企画展「ドローイング展」(名古屋芸術大学アート&デザインセンター)
      企画展「境界からみえるモノ展」(名古屋芸術大学アート&デザインセンター)

2008  グループ展「はすむかいのシナプス」(名古屋市市政資料館)

2009  名古屋芸術大学 美術学部絵画科洋画コース卒業
      名古屋芸術大学 大学院同時代表現研究領域同時代表現研究入学

2010  企画展「少し離れたところ」(MATSUO MEGUMI VOICE GALLERY pfs/w)京都
      グループ展「SCENE展」(ギャルリーくさ笛)名古屋
       イギリス ブライトン大学ファインアートコース短期留学

2011  名古屋芸術大学大学院 同時代表現研究領域同時代表現研究修了


ワタナベ アキナ 公式サイト





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④「Sea」 2012 acrylic paint on canvas 727×606㎜

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【データ】
名称: ワタナベ アキナ 個展  Sense of Wonder(プリズム)展
会期: 2012年10月16日(火)― 10月21日(日)
会場: 名古屋市民ギャラリー矢田 第3展示室
時間: 11:00~18:00(最終日17:00)



■ 画像はご本人の許可を得て撮影・公開したものです。
 転載等はご遠慮ください。


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